「バーテンダースクールFIZZ」バーテンダーとバー開業&バー経営講座
究極のカクテル、バー経営との矛盾
さて、今回のテーマは、かなり主観的なものです。
ただ、結論は、いつもと同じような気も・・・(苦笑)
内容は、若輩者のたわごと!です。お許し下さい。
究極のカクテルを語る前に、お話ししておくことがあります。
それは、国によって、味覚に対する感じ方は、随分と、違うはず!という事。
ですから、日本では、日本人の味覚にあうカクテルの提供を考えるべきです。もちろん、外人の多いバーでは、世界標準で考えなければなりません。
つまり、通常は、海外の有名カクテルレシピやカクテル教本よりも、日本人に合わせるカクテルの作り方を、考慮すべきだと思うのです。
ある海外発のバーテンダー教本を、基準に話をされる方もあります。でも、それが、日本人の味覚にあうかというと?私は、かなり疑問だと考えています。
弊店の教材も、中国人と思われる方の購入が、ときどき、あります。
日本人特有の「カクテル」に対する、こだわりを、どのように理解して頂けるか?分かりませんが、少なくとも、日本で開業される限りは、日本人の味覚にあう「カクテル」の作り方を、身につけて頂ければと願っています。
特に、カクテルレシピまかせではなく、
レシピを自分で咀嚼・分解し、自分なりの解釈で、
さらに、お客様、それぞれにあわせたカクテル、
さらに、徹底した、究極・至高の一杯を求めて・・・・・
本来は、そんなところまで、突き詰める事ができる国柄だと思っているからです。
さて、バー経営において、
「究極のカクテルを創り出し、それだけを提供する事!」
これは、それに見合う社会環境が整っているか、そうでないなら、見合う顧客層のいらして頂けるポジションでない限り、経営的に、通常、無理です。
特に、今の時代は、一般的には、こうした環境にない事は、自明の理です。
それでも、経営を考慮したうえで、価格以上のカクテルを提供する知識・技術は、身につけておくべきだと思います。最高を知ってこそ、価値と価格のバランスを見ることができるわけで、そこに、経営という視点を加えることができるようになるのです。
ただ、マニアになり、究極だけを追い求める事は、バーを経営するという点では、あきらかに、無理がきます。
なぜなら、それが究極である事を、理解できるお客様が必要で、そうしたお客様だけで、経営を成立させるには、かなり高額な金額を頂かないとならなくなります。
だからといって、高額な金額を支払うことだけに価値を見出されるお客様では、意味がありません。
こうした事を、高級店としてバーを経営していたころに、つくづく感じていました。 高額なお酒を召し上がる事ができる人が、その価値を知っているわけではありません。
しかし、店を愛して下さっているのは事実。
ですから、そのお客様に、価格以上のカクテルを提供する事。
これが、バー経営における、カクテルの作り方の基準のように思います。
こうした理由で、私は、さまざまな形態のバーを経営なさっていらっしゃる方を、心から、応援できますし、理解できます。オーセンティック・バーだけが、バーだとは思っていません。
もちろん、私の考え方ですので、他の考え方もあると思います。そこに、議論の発生する余地はありません。
まあ、私は、この業界では、異端児。これからも、マイペースで、歩んでいく事だけは、間違いありません。(苦笑)
では、また・・・・・