「バーテンダースクールFIZZ」バーテンダーとバー開業&バー経営講座
ウォッカの歴史を学べば、カクテル作りが上達する。
歴史の勉強好きでしたか?
私は、高校時代、歴史に興味はあっても、大学受験の受験科目に選択していなかったので、あまり勉強しませんでした。それでも、当時、生真面目だった私は、授業だけは、聞いてました。
高校3年の秋、学校の試験での、世界史のテストの点。
今でも忘れませんが、何と「100点満点で、43点!」
当時、ほぼ90点以下を取った事のない私は(ちょっと自慢・・笑)かなりショック。
まあ、授業を聞くだけで、試験勉強といえば、前日に教科書を読んだだけ。点数がとれる方が、おかしいのですが・・・
ただ、そのあと、先生がひとこと。
「今回のテストの平均点22点。最高得点は、43点です。」
何とも言えない、妙な気分でした。(笑)
もう、何十年も前の話ですが、受験に必要のない科目は、誰もが学習しない!というお話ですね。
随分、話が横にそれましたが、歴史は、お酒の学習で、再復習した部分が大きいです。
お酒の学習を始めると、必ず、歴史の話などが登場するのですが、おそらく、そこは、スルーされる方が多いはずです。
でも、ちょっと待って!というのが、本日のテーマです。
受験と違って、役に立ちます。
「ウォッカ」を取り上げてみましょう。
「ウォッカ」といえば、ロシア!そういうイメージを持っていらっしゃると思いますが、さまざまな国で作られています。
このウォッカの歴史を学ぶと、さまざまな事が分かるようになります。このお酒の発展と普及には、社会情勢など、時代背景が大きく影響しているんです。偶然としか思えないような事も、たくさんあります。
こうした歴史を学んでいると、
これから先、どのようにお酒が発展していくのか?
これから、何が、流行ろうとしているのか?
今、メーカーは、どのような趣旨で、お酒を創っているのか?
いろいろ想像できるようになります。さらに、「シングルモルト」などの話になると、深掘りすれば、キリがありません。
そして、では、こうした歴史を学んで、カクテル作りに生かすには、どうするのか?ということですが・・・?
ここ数年、さまざまな「ウォッカ」が登場しました。ひと昔前と比べれば、驚くほど種類が豊富になり、その味わいも、急成長を遂げています。
こうした、さまざまなウォッカについて、カクテル創りに、どう生かすか?プロとしては、さまざまな視点で、考える楽しみがありますね。そのためにも、歴史を学ぶ必要があります。
まず、ウォッカを、歴史順に把握する事。
そして、発展を遂げる段階で広がった、生産国によって分類する事。
この二つの作業をするだけでも、カクテル創りの能力が大きくアップします。
もちろん、バーのコンセプトによっては、必要ないと思われるかもしれません。ですが、いつもお話しているように、時代や環境にあわせて、カクテルの質やレベルをコントロールできるようにしておくべきです。
例えば、数年前、流行ったフランス産のウォッカがあります。そうすると、フランス産のリキュールとあわせてみようか?そして、カクテル名を、フランスに関連したものにしよう! こうした最も単純なオリジナル・カクテルの作成方法にも使えます。
もちろん、他にも、さまざまな視点で、カクテルは捉えていかなければなりません。それは経験とともに、少しずつ、深まってくるものです。
だからといって、こうしたマニアックなカクテルの捉え方を、お客様に押し付けるのはナンセンスです。私は、オーセンティックなバーだけが、バーとは思っていません。
さまざまなところで、お話していますが、あなたが癒したいと思う人を、癒す事ができ、あなたの情熱が伝わる空間であれば、それが、本物のバーだと思っています。形式や外見には、全く、こだわりません。ただ、知識・技術を磨いておく事は必要だとお話しているだけです。
なぜ、それを学ばなければならないのか?
その意味を理解した後であれば、学ぶ気にもなりますよね!
きっと・・・たぶん?
おそらく!
では、また・・・・。